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2013-01-31

新春東西狂言の会@新宿文化センター

相変わらずつかみどころのないしゃべりの萬斎さんと、
今回は茂山家次期当主(予定)の正邦さんとのだらだらトークで開始。

けしてけなしているのではなく、
もうこのだらだら感はお約束みたいなもんですね(笑)


そしてこちらも恒例の小舞競演は「雪山」。
どう見ても合ってなくてこちらもまったりとしか一見見えないんだけど(苦笑)、
実際には口伝の伝統をあわすということは相当難儀なことなんだろうと思う。
このあたりリズムが普遍的に基準になる西洋とは違うところですね。


以下演目。

茂山千五郎家(大蔵流) 「蚊相撲」
野村万作家(和泉流) 「柑子」「茸」


どちらかというとビジュアル的にわかりやすい定番演目が並んだ今回。
狂言がお初の友人を連れて行ったのもあり、そういう意味ではよかったけど
そういえば、この三曲とももっともポピュラーな追い込み止めじゃないのに、
改めてちょっとびっくり。


まあ、別にセリフ止めでもくさめ止めでもいいのだけれど、
なんとなく勝手に狂言入門編のように思っていたこの会が
既に10年以上も続く伝統になりつつあり、
さらには既に狂言初心者を取り込むためではなく、
狂言のこれからを見せるためのものになっていることにはたと気づいて、
なんだかちょっとしみじみしてしまった。



そういえば、最初に見た時はまだルーキーたちはピカピカに若くて(正邦さんも)
大好きな千之丞さんと「ミスター狂言」千作さんが必ず出られていた。


既に千作さんはあまりもう舞台には立たれないと聞く。


時代は変わる、伝統芸能の世界であっても変化はある。
それは確かに喜ばしいことだけれど。

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2012-06-03

萬狂言 特別公演「花子」他@宝生能楽堂





今のところ、存命の人間国宝の狂言師は知っている限り三名いらっしゃる。
私の中では別格の「ミスター狂言」こと大蔵流四世茂山千作師、
そして和泉流の野村萬師と野村万作師である。


流派によっても、人によっても芸風はかなり違うけれど
当然皆さん素晴らしい芸をお持ちであることは変わりなく、狂言界の宝。
狂言ファンとすれば機会があれば生で拝見したい存在であることに差はない。




そんな存在の一人野村萬師が齢80歳を超えて
狂言の秘曲と言われる「花子」に挑戦するということに加えて
おまけに大蔵流の山本東次郎師が妻役という異流共演、
そのうえ太郎冠者は流派は同じ和泉流でも野村又三郎家の又三郎氏という配役。
ここまでものすごいMIXで魅力的な演目はあまり聞いたことがない。


そりゃー、観たくなってしまうのが狂言ファンの人情というものでしょう(苦笑)





「花子」は御存じの向きも多いだろうが、秘曲と言われる高度な技術が必要ながら
(セリフの多い前半と違い、後半はほとんど謡のみ、これを語るのに技術がいるらしい。
セリフ構成の多い狂言には珍しいが、元が能の「班女」だからだろうか。)
内容は妻の目をなんとか盗んで愛人に会いに行こうする男のたわいのない話である。
さらにこの男は戻ってきてから、自分の身代わりにしていた太郎冠者に
その愛人の花子がどれだけかわいかったかいじらしかったかを訥々とのろけまくり、
入れ替わっていた妻に全部聞かれてしまうという間抜けっぷり。




ホントに男性はしょーもない、という単純なオチなのだが、
なんていうのかな、これ結構深い話だと思うんですよ。




地方赴任していた時に親しくなった女が上京してきて会いたいと文を寄こす。
現代と違って旅も大変な時代、たぶん女の方は本気なんだろうと容易に想像つくけど
男の方はどうもそこまでには見えない。
もちろん情はあるんだろうし好きは好きなんだろうけど、
それよりも「そうやって女に想われてる自分」の方がもっと好きなように見える。



花子がどれだけいじらしかったか、
恨み事を言わなかっただの可愛かっただの確かにべろべろなんだけど
(そしてこのべろべろ加減を演じるのが難しいのだろうと思うのだが)
なんていうか、彼女のことを本気で想っていない感じがどうしてもしてしまう。





文楽に「心中天の網島」という演目があるのだが、
その中で相思相愛で心中まで考えた遊女に愛想尽かしされて
奥方に「なんだあんな女」と怒り愚痴るシーンがある。
時代が違うのかもとは思いつつも
惚れた女の悪口を平気で奥方に愚痴る行動がずっと不思議だったのだが
ある本で彼には「所詮は遊女」という意識がどこかにあったのだろうと読んで
ああ、なるほど!と思ったことがある。



真実は男の幸せを思って遊女の方で縁を切ろうとしてくれたと判明し
その真心に打たれて結局は本当に心中までしてしまうのだが、
たぶんそれまではどこか「たかが遊女」だという意識があって
手に入れたいとは望んでも、本当に彼女のことを思っていたのではなくて
ある意味、美しい女性であれば、自分が望める相手であれば誰でもよかったと。
彼女の真心を知って初めて彼女と向き合い惚れたのではないかと思うのだ。



ちょっとうがちすぎかもしれないが、個人的にはこれですごく腑に落ちたのだ。




花子を見るとこれをどうしても思い出す。
上京してきた彼女は、これからどうするのだろうか。



そしてそんな薄情な男は、だからゆえひたすら愚かでかわいらしい。






他にも野村万蔵師の三番叟も、司祭役の太夫を兼ねる形式のものは初めて観て面白かったし、
個人的には野村太一郎師の那須与市話が思いがけずとてもよかった。

矢を射る動き、歌うかのような流麗な台詞回し。
動きがとにか美しく滑らかで静か。
東西の違い、上半身と下半身の違いはあれど、やはりダンサーの究極の美しさはここにつきる。
(ダンスはきちんと止まる一瞬がなければ増長して見え、どれだけテクニックがあってもけして綺麗ではない。)


笑いよりも芸術と型を優先する和泉流の意識はまさにはこの演目にはまっていて
それを若手であってもきちんと昇華しきっているのは
やはり和泉流野村家の系統の素晴らしさだろうと思う。





40年間日の目の見なかったという頂き物の単のデビュー。
演目にあわせてちょっとおぼこく色っぽく(笑)に
半襟を多めに出して花の刺繍の帯揚と黒の帯に紫の帯締で。




この単は織りが刺繍みたいでちょっと面白い。
襦袢の袖は黒レースで涼しげに。




根付は「聞かざる」


知らなくていいことは世の中に結構一杯あるよね。




通りすがりにお神輿に遭遇。



2010-12-05

訃報:茂山千之丞さん


http://mainichi.jp/select/person/news/20101205ddm041060130000c.html


めちゃくちゃ好きでした。
著作を初めて読んだときから、しなやかな頭のよさと行動力にメロメロでした。


私の狂言好きは、ひとえにこの方のせい、いや、おかげです。


野望は「千之丞さんとサシで飲むこと」と公言してはばからず、
一度握手してもらったときは「もう手は洗わない」と家人にメールして失笑を買い、

とにかく大好きでした。


少し前に社中の方と偶然お知り合いになり
千之丞さん米寿記念の発表会にご招待頂く機会を得ました。
タイミングがあえばご紹介しますよと、
実は病気のことは前々からこっそり存じ上げていたので、
野望は適わずとも一度でも直接お目にかかれる機会があるなら
これは神様がくれたラストチャンスだ
もうそれだけでなんて私はラッキーなんだ、と、心の底から感謝しました。

その会を体調不良を理由にご本人が欠席され
もしかしたらと奈落に落ちた気持ちで覚悟したものの
やはり改めて文字で見るとショックでいまだ泣けてきます。


悲しいです。
夢は夢のままでした。


心からご冥福をお祈りいたします。



2010-11-23

タンポポ会 狂言の会


今日は久しぶりの狂言鑑賞。

なんと、私の愛する茂山千乃丞師の米寿を記念して行われる社中の方々の舞台に
ひょんなことからご招待頂いたのでした。
先日参加した日本酒の会でお目にかかった方がその社中の方だったのです。


いやはや、どこに素敵なご縁がころがっているかわかりませんね。
(私の図々しい身の程知らずの野望のせいだと人は言いますが(笑))


ここのところ仕事に紛れてなかなか狂言鑑賞の機会がなかったのですが、
さすが千乃丞師の愛弟子の方々、堂々たる演者ぶり。
ちょっとやったことがあるのですが、あれだけ声をだすのはかなり大変だし
(つーかまず出ない)
あの摺り足だってちゃんとやったら歩くだけでいっぱいいっぱい(だった)
そのうえにこやかに演じてくすりと笑わせないといけないわけで、
ちょっとやそっとでできることじゃないんですよね。さすが伝統芸能。

私をお招きくださった方は声を使うお仕事なのでさすがの美声。
演技も堂々たるもので、プロの狂言師としてもいけるんじゃないかしら?

やっぱりいわゆる発表会を国立能楽堂でやるんだから、
それなりに鍛錬を極められているということなのでしょう。



というわけで、久しぶりに堪能した狂言の舞台は
演目も充実した楽しいひと時でした。

後見のあきらさんたちは、舞台に出ずっぱりで
せりふを小声で直したりと気の休まるお暇もなかったと思いますが
皆様本当にお疲れ様でした。
千乃丞師の愛するお姿を拝見できなかったのは残念だったけど、
早いご回復を心よりお祈りしております。




2009-10-05

東西狂言の会 @三鷹市公会堂

関東の野村家、関西の茂山家の共演で毎年人気の東西狂言の会に行ってきました。

今回の会場はなんと三鷹!
この会ってなぜか妙にマイナーな会場ばっかりでやるんですよね。


とはいえ、相変わらず充実の舞台は、楽しみどころも一杯。
愛する千之丞さんの元気なお姿に、
しみじみ絶妙な萬斎師の上演前の解説
(しゃべくり上手東西対決なら絶対、茂山千三郎先生VS野村萬斎師しかありえないと思う・・・)
実はさりげなく豪華な配役の和泉流ベテラン高野師&石田師の太郎次郎冠者とか盛りだくさんでしたが、
なんといっても今回の個人的ツボは童司くんの成長っぷり。


今回の演目「濯ぎ川」は昭和に作られた新作狂言とはいえ、
今ではすっかり茂山千五郎家の十八番演目としてあちこちで上演されてますが、
私が狂言にはまり始めた頃は、女房役はあきらさんが多かったんですよね。
個人的には女性役を男性が仮装や化粧なしで演じる狂言の女役って
結構演技力が見えるポイントだという思いもあるわけで、
今回その役を今度は童司くんが演じているのを見ると、なんかしみじみとしてしまいました。

そのうえ、主役の夫役があきらさん、姑が千之丞さんと、直系親子三代の舞台なんて
一族郎党狂言師の茂山千五郎家ならでは(笑)


いやはや、堪能させて頂きましたww



でも、私に三鷹は少々遠かったわ・・・(笑)

三鷹市公会堂ホームページ
http://mitaka.jpn.org/ticket/0910040/
プロフィール

hijiri

Author:hijiri
長年のITまみれな生活を経て、着物と煙管、和文化と美しいもの、酒と美食(B級)をこよなく愛する生活。
■日本の文化と”今”をつなぐ再実感マガジンJapaaanでライターやってます。
http://mag.japaaan.com/
■cafeglobe読者エディター、やらせて頂いてます。
http://www.cafeglobe.com/2013/06/030174cafeglobe_readers.html
■ミラーサイトはこちら http://ameblo.jp/hijiri-info

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