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2005-09-25

桃月庵白酒 真打披露興行

我が落語の先生である友人に連れられて「桃月庵白酒 真打昇進襲名披露興行」へ出掛けてきた。

一度、新宿の末広亭へ行ったくらいでほとんどよちよち歩きの幼児レベルの私でも、前座の時から既に「あれ?なんか今回は違うぞ」
友人もやはり同じように感じていたそうなので、別に初心者の思い込みでもなく今回は内容、出演者共に高かったようだ。
さすが襲名披露興行。知識がなくったって、芸の善し悪しというのは伝わるものなのだ。(えっへん)
なんでも落語協会現会長である三遊亭圓歌の落語を聞けるなんて、最近ではほとんどレアものと化しているんだそうだが、喜ぶ隣を後目にのほほんと見ている私。
このように物を知らないということは、いつでも最強なのである。(笑)


さて、今回のメイン”桃月庵白酒”
落語初心者な私は、失礼ながら”五街道喜助”という名前にも全然ピンと来ていなかったのだが、長年喜助の追っかけをしている友人に言わせると落語界の若手でもピカイチの存在なのだとか。
確かにものすごくお上手。(だから初心者にだって芸の善し悪しくらいわかるの!(苦笑))
上質な一人芝居を見ているようにも思える。

特に声。第一声でびっくりするくらいの美声だ。そのせいか、落語という「笑い」の芸なのにすっきりきりりと若々しく、どこか艶がある。
試し切りをしたばかりの青竹、はたまた替えたばかりの畳の香りのようだと言えばいいだろうか。青々とした表面にも、例えば夜の匂いや剣先の冷たさが滲み出ているような。色気と言い換えてもいい。
変な話だが、女性にはかなりおモテになるのではないだろうか。

内容もほのぼのおめでたいお話で堪能させて貰ったが、どこか所作が折り目正しいのも個人的に好印象だった。
師匠(?)の五街道雲助の時もちらりと思ったのだが、座布団に座るとき、そこから立つときお辞儀するときどこか上品なのだ。(他の方が乱暴だというわけではない、念のため)
こういうところも、見ている方には結構重要だったりするもんじゃないかな。

なんでもそうだが「あ、いいな」が多いと、やっぱり楽しい。


師匠や会長のお祝い口上も暖かく、見ていてこちらまでうれしい気分になった。こんなに後味のよい気持ちが味わえるのならば、又行こうと素直に思ったいい夜でありました。



しかし、三遊亭圓丈といい雲助といい、口上といいシメの一句といい激しく粋でかっこよかった。
お江戸芸人ってこういうところがホント惚れさせるよね。

 
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2005-09-21

今月の映画 「この胸いっぱいの愛を」


映画この胸いっぱいの愛を


2006年。子どもの頃に過ごした北九州に、出張で向かった比呂志は、自分が1986年にタイムスリップしていることに気づく。同じ飛行機に乗り合わせたヤクザの布川、影の薄い男・臼井、盲目の老婦人・朋恵も同様にタイムスリップしていた。

20年前の自分自身“ヒロ”と同じ部屋に居候することになる比呂志は若くして死んでしまった初恋の人「和美姉ちゃん」にも再会するのだが。



どうして彼らがタイムスリップしてしまったのかという謎が残るのでつい引き込まれるが、とりとめのないエピソードの羅列で途中かなりだれてしまった。二時間十分という長さよりもう少し整理した方がよかったような気がする。

タイムスリップも四人ではちょっと多すぎ。エピソードが多すぎてなんだか印象が薄まる感じだ。それぞれはとても感動できな話なのだけど、やっぱり主人公とやくざのあんちゃん布川くんくらいに留めておいた方が良かったんじゃないかなあ。

(ちなみに布川を演じた勝地涼という俳優さんはかなりいい感じだ)

全員が全員、舞台である門司に心残りがあるというのはいくらなんでもご都合主義っぽいし。


それでも古き良き時代、今三十代くらいのひとには懐かしいだろう空気はなんとなくしみじみする。ところどころの風景、特に丘の上から見下ろす街はとても美しい。そういう街の息吹があくまで背景としてしか使われなかったのはちょっともったいない気もするんだけど、見ていてどこか落ち着く。

携帯電話がまだない時代。物事が個人でなくある集まりの中で自然に共有されていた時代。今、見るともどしくもなんて暖かいのだろうかと思う。

だからだろうか、出てくる人間人間がみな優しい。嫌な人間がひとりもいない。見ていてとても暖かな気持ちになる。


見終わって思ったのだけど、和美姉ちゃんを助けることは本当に正しいことだったのだろうか。「それでも生きろ」と最後に伊藤英明演じるヒロ(大人バージョン)は言うけれど、最後のシーンの和美姉ちゃんはとても幸せそうには見えない。

彼女に生を選ばせることヒロの望みであり、彼にとっては確かに正しいことだったのだろうけれど。




それにしても、旅館で働くってあんなに自由時間あるものなのか?(笑)



2005-09-21

今月の映画 「SHINOBI」


映画SHINOBI-1


映画SHINOBI-2


映画SHINOBI-3


長きに渡り戦うことを禁じられていた忍者の二大勢力、伊賀と甲賀。ふたつの忍は互いに憎しみあっていたが、それぞれの跡取りである朧と弦之介は互いの立場を知らずに出会い、運命的な恋に落ちてしまう。しかし徳川家の時期将軍を伊賀と甲賀、五対五の忍術合戦でどちらが生き残るかによって決するという勅命を受け、双方の一族を背負い彼らは命をかけた戦いの敵同士として対峙することに。


いきなりこういう言い方もどうかと思うが、思ったよりは悪くなかった。ストーリーもツッコミどころも満載なのだが、全員とは言わないが一部のキャラがたっているせいである程度の矛盾に目がつぶれるみたいなのだ。


特に椎名桔平演じる薬師寺天膳。格好なり出で立ちはどうかと思うけれど(笑)、彼が実は死にたがっていることだけはよくわかる。死ねない苦しみと果てしない孤独。だからこそ自分を含めて全てを滅ぼそうと暗躍する気持ちが想像できるのだ。

誰かに一時でも感情移入できれば、物語に入り込める率も上がる、というのが私の持論。

同じように黒谷友香演じる陽炎。演技はともかく(ごめん)、悲劇を背負ってる女の悲しみみたいなものを漂わせて、これも感情移入がしやすいキャラだった。沢尻エリカ演じる蛍火もいじらしいし。


その割には主人公二人、朧と弦之介。美男美女の仲間由紀恵とオダギリジョーだから、美しい日本の風景と相まってスクリーンの二人の美しさはため息が出るほどなのだが、いかんせんキャラが弱い。双方、一族を背負う若き頭領であるはずなのに、その一族を背負っているというすごみも冷たさもない。ただ相手が好き、だから戦いたくない、それだけの甘ちゃんに見える。

だからこそ全ての仲間が死に、里が無くなるかもしれないぎりぎりの時に、愛し合う二人が戦いそしてどちらかが死ななければならないというところに説得力がなかったのが残念だ。ここがクライマックスシーンだっただろうに。

そのまま駆け落ちすれば~、って思わず画面に突っ込んでしまったのは私だけじゃないと思うんだけどね。(笑)


それでも画面も美しいし、ワイヤーアクションも目障りな程でもない。無駄な説明をはぶいた小気味いいカット割りでリズムよく進んでいくのでうっとうしくなりがちな日本の時代物をそれなりにまとめている。

最後の浜崎あゆみの歌でしっかりうるうるできるのも、計算としたらなかなかのものだ。残るものは少ない軽い映画ではあるけれど、二時間は充分楽しめる一本だと思う。



それにしても、出てくる忍術って半分くらい魔術じゃないのかなあ。

特に朧の瞳、あれはどー考えても反則だと思うんだけどね。(笑)



2005-09-17

ドレスデン国立美術館展

終了間際という記事をどこかで読んで、今頃感想も書いていないことを思い出した。(苦笑)

てなわけで。



今回の展示の目玉はフェルメールの「窓辺で手紙を読む若い女」。
フェルメールが特に好きかと言われると難しいが、オランダにいたせいもあってかなり親近感がある。
特にこの絵は結構好きで、だから実物を一度見てみたかった。

今みたいな時代にはあんまり感じないけれど、手紙一枚でも相手にちゃんと届くってことは大変なことだったんじゃないかというのはちょっと考えてみれば簡単に想像がつく。それだけにものすごくうれしかったり、悪い知らせかと読むのが怖かったりしたんだろうな。
なかなか封をあけれなくて持ち歩いちゃったりとかね。

今みたいに携帯に手軽に送れるメールだって、どこかで心待ちにしちゃったり来たら来たで幸せな気分になったりどん底に突き落とされたり、読むのが怖くてどきどきしちゃったりどうしても消せなかったりとか、そんなところはたぶんちっとも変わらないはず。
少なくとも私にとってはそうだ。
絵自体も素晴らしいんだけれど、それよりもこの絵を見ているとせつなくなる気がするのはきっとそんなことを思うからなんだろう。


もともとレンブラントの作品と間違われて購入されたという情けないエピソードもあったりするのだが、どうしてそんな勘違いが起こるのか理解に苦しむほどこの絵は”フェルメール”的。
簡単に言えば、微妙に繊細過ぎて雰囲気が暗いってことなんだけど。(爆)


さて、実はそのレンブラントの「ガニュメデスの誘拐」が今回の私の密かなお目当て。ギリシャ神話で名高いガニュメデスは水瓶座のモチーフになってるくらいで、とにかく美青年のはずなのだが、この絵じゃなにを思ったか泣き叫ぶ赤ん坊である。おまけにどうみたって美貌とはほど遠いえぐい姿!

レンブラントって割とこういう赤裸々な描き方をするところが密かに気に入っていたりする。

今回の日本展のために修復で、今まで見えなかった部分が出現したらしく色々解説がくっついていたけれど、それも確かに面白かったけど。
絵なんて解説がなくたって色々勝手に解釈して楽しめばいいんだから、かえってうっとうしかったというのが本音である。


絵画の他にも昔の科学機器とかマイセンの磁器(ドレスデンとマイセンって近いしね)がたくさん展示されいて、絵に興味のない人でも充分満足できる内容だったと思うけど、詰め込みすぎの感もなきにしもあらず。
盛りだくさんがいいことばかりじゃないっていうことなのかも。


・・・・おおっ、深いぜっ!(笑)

 
2005-09-07

今月の映画 「ルパン」


映画ルパン


スービーズ公爵家で暮らすアルセーヌ少年は、泥棒である父の指示で公爵夫人が所有する「マリー・アントワネットの首飾り」を盗み出す。しかし翌朝、父は無惨な死体で発見されてしまう。15年後、怪盗となったアルセーヌ・ルパンは幼なじみクラリスのおかげでスービーズ公爵家にまんまと潜り込むが、そこで王家の財宝のありかを示す十字架の話を耳にする。財宝を狙い、フランスの王政復権を狙う彼らは、やはり財宝を狙うカリオストロ侯爵夫人を死刑にしようとしていた。彼女の美貌に惹かれたルパンは夫人を救出し、二人は恋に落ちる。しかし彼女には隠された顔があって・・・。


ゴージャスな映画である。特に劇中に登場する宝飾品の数々はカルティエが提供していて、全体の謎ときの鍵となる「マリー・アントワネット王妃の首飾り」は写真や資料を基にレプリカが制作されたそうだ。

そう、あの有名な「首飾り事件」の元凶である。そうかこんなんだったのか!、と密かに思うのも楽しい。(重そうだけど)

しかし画面の美しさはともかく、物語はエピソードを詰め込みすぎだ。モーリス・ルブラン作のアルセーヌ・ルパンシリーズは20巻もあるそうだが、その中でも有名な「カリオストロ伯爵夫人」「813」「奇巌城」の三冊のネタを全部大盤振る舞いしたらしい。

(ついでに言えば「僕の少年時代」と「ルパン最後の冒険」も絶対入っている)

それ自体はうまく消化できていれば文句はないが、問題なのはこの三冊、ルパンの年齢設定が全然違うのだ。それを混ぜ合わせたうえに、映画はご丁寧にも少年時代から描いているので結果的には”ルパンの一生”みたいな話になってしまっている。一応財宝探しがメインテーマだけど、どうもすっきりしない。

2時間20分という長編だが、出てくる人間がなにを考えているのかいまいちわからないのも難だ。まあフランス映画で心情説明は期待しない方が正しいが、例えばなぜクラリスが15年も離れていた従兄弟にあれだけ執着し愛するのか、なぜボーマニャンは政府の手先になり下がっていたのかなど疑問がつきないのである。

成年以後のエピソードをなくして、もっと丁寧に描いた方がいい映画になったのではあるまいか。息子なんて出さない方がいいよ。


それにしてもクリスティン・スコット・トーマス演じるカリオストロ侯爵夫人の妖艶な美しさといったら!誰が見ても美形と思うタイプの女性ではないと思うのだが、とにかく魅力的だ。彼女が魅力的でなければ根本的にこの映画は成立しないのだけど、その面ではカンペキに成功している。

彼女なら、そりゃどんな男でも骨抜きになるだろう。同性が見たってため息しか出ないんだから。

その反面、ルパンを演じたロマン・デュリスは悪くはないがいまいちな感じ。いかにもフランス系の美男で線が細く、カリオストロ侯爵夫人に翻弄されている青年の頃だけならばいいのだが、怪盗ルパンとしては子供っぽ過ぎる気がしてしまうのだ。妙に大上段な熱っぽい演技のせいかもしれない。

そういう意味でも青年ルパンの話だけに限った方が絶対によかったのに。

存在感だけでいえば、謎の男ボーマニャンを演じたパスカル・グレゴリーの方がよっぽど大きかった。


舞踏会シーンの華麗さは特筆モノだし、やたらと人を殺すわ爆発するわと血だらけなのは頂けないが、謎解きも絡むしそれなりにワクワクできるのは確かである。

子供の頃ページをめくってドキドキしたあの気持ちで、さらりと楽しむ映画なのではないだろうか。だたし、ラブシーンにしろなんにしろお子さま向けではないのでその点には御注意の程を。

 

2005-09-07

今月の映画 「私の頭の中の消しゴム」


映画私の頭の中の消しゴム


工事現場で働く無愛想な大工チョルスと、おっちょこちょいだが純粋な社長令嬢スジン。住む世界の違う二人がハプニングで出会い、恋に落ちる。愛を信じず独りで生きてきたチョルスはスジンの愛に戸惑いながらも人を愛することを覚え、二人は結婚。幸せな日々を過ごす。建築家として活動を始めたチョルスはまたたく間に才能を発揮し、二人の前途に一点の曇りもないかに思えた。

しかし、大したことではないと思っていたスジンの物忘れが深刻になっていき、医者を訪れたスジンが宣告された言葉は「若年性アルツハイマー」。それを知った彼女はある決断を・・・。


二人の出会いから恋愛、結婚生活に至る前半部分は、普通ならばここで「それから二人はずっと幸せに暮らしました。めでたしめでたし」と絵本的に終わっても全然おかしくない、ストレートな純愛物語。

少々、韓国映画らしい家族もめ事ネタ(笑)のエピソードがくどい気もするが、これだけでも充分テレビドラマくらいのクオリティはある。

だからこそ後半に突入して彼女の病気が発覚し、それでもあくまでも妻を支えて最後まで一緒に生きていこうとする夫と、愛するが故に離れようとする妻の気持ちのすれ違いがクローズアップされて、切なく悲しい。



記憶が混乱しているのがわかっていても、

昔の男の名前で呼ばれ

「愛している」と言われたら。

こんなに切なく苦しいことはないだろう。

そこに愛する人は確かに存在しているのに。

その人の中に自分という存在が消えてしまっていたら。

それでもその人を愛し続けることができるのだろうか。

肉体的な死が先に訪れるのが自然の摂理なら、医者が言う「精神的な死」が先にきてしまう残酷さは、本人にとっても周りにとっても地獄の苦しみ以外の何物でもない。忘れられるほど辛いことはたぶんないのだから。



「武士 - MUSA -」で無骨な男を演じたチョン・ウンソに、今話題の「四月の雪」のヒロインで注目されるソン・イェジン。美男美女のカップルだが演技も確か。

ソン・イェジンの笑顔は本当にかわいい。目がくるくるとよく動くところは小動物みたい。だからこそ切ないシーンでは抱きしめたくなるようないじらしさがにじみ出るのだろう。

「武士 - MUSA -」の頃から注目していたチョン・ウンソはよく見ると整った美男子なのに、どこか髭や長髪が似合うワイルドでアンバランスな空気を漂わせている。特に言葉を発しない時の口元が雄弁なのに驚く。モデル出身らしいが絶対に役者向きだ。

おまけに動きの艶っぽいことといったら!

このチョルス役の彼はカンペキに好み。いやー、まじめに惚れそうでした。(笑)

あとこれはどうでもいいけど、あのお医者さん、どう見ても「バック・トゥー・ザ・フィーチャー」の博士かはたまたお茶の水博士に見えるのは私だけだろうか?


原作は日本のテレビドラマだったと思うが、この時間にうまくまとめたものである。

最後の終わり方を評価するかしないか、残酷だと思うか、それとも救いと思うのか。それは観るあなた次第です。


 

2005-09-03

ハシゴな一日

参加しているMLで2005年日本ガラス展に出品されている方のご家族がいらして、ひょんなことから招待券を頂戴した。おまけに今日開催されている「正倉院展フォーラム」の参加招待券まで同封下さった。
袖振りあうも多少の縁というが、ありがたいことである。


ついでなのでハシゴすることにして、まずは「正倉院フォーラム」へ。

私は昔から奈良にはなんとなく縁があって、バイク仲間がたくさん住んでいたり、仕事でしばらく通っていたり、奈良県内もあちこち取材に行ったりしたので親しみがある。正倉院展も二回ほど取材で行っているので、今回の講演もどんなもんかと密かに楽しみにしていた。
行ってからびっくりしたのだが、なんでもこのフォーラム、参加応募が定員の二倍以上だったそうである。なんの苦労もせずに参加資格を手に入れた我々は心中密かに肩身が狭い気が。(苦笑)


さて、トップバッターはたぶんこの高倍率の原因じゃないかと思われる特別講師である東儀秀樹氏。ご存じ「雅楽界の貴公子」である。

正直なところ、私はこの人はどっちかというとクールというかプライドが高そうというか、繊細で神経質そうな外見と相まっていまいち苦手な印象を持っていた。とてもクレバーな方でもあることはよくわかっていたし、雅楽に興味もあったのだけどいまいち踏み込めない感じだったのだ。

しかし、それは大きな間違いだったことが判明。

クレバーではあるが、どちらかというと朴訥と言えるほど一生懸命言葉を選んでわかりやすく伝えようとする姿勢。いろいろな楽器をうれしそうに紹介する姿はモデルのようなスタイリッシュな外見とは裏腹に少年のようだ。
(というか、もっとはっきり言えばある意味おたくかもしれない?!)
逆に物事に真摯過ぎて、そのうえ才能があるから誤解されてしまうタイプなのかも知れない。言葉でなにかを伝えることがうまい方とはけして思わなかったが、おっしゃっていることはどれもいちいち大きくうなずける話ばかりでついつい引き込まれた。

色々な素材で作られた横笛の話。
四本弦の琵琶と五本弦の琵琶。
長さによって高低が出るはずなのに、中に和紙を詰めて音を調整していて同じ長さで音が違う笛。
にかわや漆が、糊として瞬間接着剤に負けない理由。
昔の人ができた技術を再現しようとすることの意義。
そして、新しいものけして良いことばかりではないという意見。

最後の演奏も持ってきた楽器を次々に変えて、せっかくなら色々な音を聞いて欲しいという姿は優しい音楽と相まってとても暖かい。
はっきりいって、ファンになりました。(笑)


次のパネルディスカッションもある程度見てから、時間もあって次の2005年日本ガラス展へ。

今は仕事柄色々なガラス製品を扱うし、いわゆるブランド品のような高級品を目にすることも多いけれど、やぱりこのような『一点もの』の持つパワーは違うと改めて思う。
好き嫌いではなくて、ただそのものが持つパワーの強さ。
着物や焼き物に限らず”本物の作家モノ”が凄いと素直に思うのは、こういうときだ。どこかプラスのエネルギーをもらえる気がする。

会場から外に出て、思わずその気分のまま即売会にふらふら混ざりそうになりふっと我に返る怪しい我々。庶民は見ているだけの方がきっと幸せだろう。(笑)


耳でも目でも堪能させてもらった一日。
人の縁ってやっぱりありがたい。星之橋さま、ありがとうございました。



2005-09-02

今月の映画 「頭文字D」


映画頭文字D


とにかく、よく撮ったと思う。漫画やアニメならどうとでもなるようなシーンでも、実写でやるのはほとんど無理難題の域に達しているこの超人気漫画である。撮影時かなり車をつぶしたという話を聞いたが、それだけで済んだのがかえって驚きだ。

実際、レースシーンに矛盾なり人工的な匂いがないのは、評価に値する。よく観れば、例えばここって秋名じゃないや!とかちらりと思ったりもするけど、楽しんで観ている分にはころっと気持ちよく騙してくれる。その世界を再現してくれる。CGゼロのドリフトシーンの迫力は半端じゃない。そういう意味ではよくできた映画だ。


例えば、”溝落とし”なんて、原作ファンには涙もんだろう。


藤原とうふ店を営む父・文太と2人暮らしをする、藤原拓海。友人の樹の家でガソリンスタンドでアルバイトをし、自分の車を買うことを夢みる普通の高校生だが、実は毎日水に浸された豆腐を、父のハチロク(AE86)で配達することを中学生の頃から続けていた。おかげで完璧なドライビング・テクニックを自分のモノにしている拓海だが、今の興味は幼なじみで高校のアイドル的存在のなつきのことしかない。

ある日、チーム「妙義山ナイトキッズ」のリーダー、中里毅が拓海と樹が働く、スタンドにやってきた。中里の挑戦を威勢良く受けた樹は、拓海を助手席に乗せてバトルに挑むが、あえなく惨敗。だが、その晩、中里は峠で信じられないドライビング・テクニックを見せるハチロクに遭遇する。それを運転していたのは拓海で・・・。




・・・それでもあえて言わせてもらうが、この映画


原作知らないと絶対わけわからんぞ


インファナル・アフェアの監督らしい美しい映像とフラッシュバック&スローモーションの多用は確かに美しいが、あくまでプロモーションビデオのような作りのこれは、カンペキに原作ファンの為の映画である。

話を続けるというか、説明することは頭から放棄しているとしか思えないし、ある意味そのスタンスは正しい。原作のエピソードが多すぎることを考えると、まあなんとか無難にまとめたと言えなくもないけど、初めて頭文字Dに触れる人にはやはりスタンダードに原作漫画から入った方がストレスがなくていいだろう。


結構意外だったのが、主人公拓海を演じるジェイ・チョウ。写真で見たときはえらく暗い印象の(ファンの方ごめん!)男の子だなあと思ったのだが、初めて演技をしたという割にはどうしてどうして演技にもなかなか深みがあってよかった。特に笑い顔がかわいい。よく見ると男前だし。

歌手としては既にミリオンセラーを何度も飛ばす超人気者だが、確かにこれは人気あるだろうと思う。これから俳優としてもいい感じに生長してくれそうな予感がする。

他の華流若手スターも男前揃いで、目の保養には充分なる。(残念ながら女性限定)

それに、なんていうかなあ、中国系って意外と表現力豊かなんだよね。ボディランゲージとか、そういう面の話だけど。

だから嘘っぽい話がなんとなく押し切られちゃう気もする。勢いというか。


あとこれだけは言わせて!な、アンソニー・ウォン演じる拓海の父、藤原文太のかっこよさっ!原作でも飲んだくれでいい加減で女好きで、でも妙に渋くてかっこいいオヤジ『文太』は女性ファンも多いキャラだけど、眠そうな目といいまさにアンソニー・ウォンはばっちり『文太』だった。うーん、かっこいいーっ!!

やっぱりこういうやんちゃな親父は女には魅力的ですね。


しかしなー、舞台は日本。出てくるキャラも物語も日本人&日本なのに、演じるのはチャイニーズ・スター。ヒロイン、鈴木杏以外はアテレコっていうのはやっぱり違和感ありすぎだ。その上、ノリは完璧な香港ムービー、これのどこが日本なんだ?

見事に口パクあってないのは、愛嬌で済むかと思ったが想像以上に「変」と思うものらしい。いっそ「キル・ビル」くらい破天荒な方が、人間あきらめがつくのかもしれない。


てなわけで、映画がどうというよりも「頭文字D」の世界が好き!という方にしかお勧めできない映画。車の運転が大好きって方でももしかしたら可かもしれないけど。


・・・個人的には、次は是非「バリ伝」でお願いしたいかなあ。車でこれだけできるんだから、きっとなんとかなるでしょ!

鶴!亀!!(わかる人にしかきっとわかりません)


プロフィール

hijiri

Author:hijiri
長年のITまみれな生活を経て、着物と煙管、和文化と美しいもの、酒と美食(B級)をこよなく愛する生活。
■日本の文化と”今”をつなぐ再実感マガジンJapaaanでライターやってます。
http://mag.japaaan.com/
■cafeglobe読者エディター、やらせて頂いてます。
http://www.cafeglobe.com/2013/06/030174cafeglobe_readers.html
■ミラーサイトはこちら http://ameblo.jp/hijiri-info

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