--------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2011-11-13

開館50周年記念「美を結ぶ。美をひらく。」Ⅳ南蛮美術の光と影


IIを鑑賞してから、いつの間にかⅣになってる開館50周年記念シリーズ「美を結ぶ。美をひらく。」
何時の間にIIIを飛ばしたのだろう、うむむ。

さて、今回のテーマは南蛮美術。
16世紀半ばから17世紀初頭にかけて、ポルトガルやスペインからいわゆる南蛮船が来航、
まだまだ戦に明け暮れていた日本人から見たらびっくりするような財宝がキリスト教という異質な文化の象徴として渡来した。
結果的にはキリスト教という宗教はそれらをすべて包括したまま日本ではかなり長く弾圧の時代を経てしまったが、
渡来当初はとにかく富の象徴としてもてはやされたらしい。

異国の富や財宝というものには、人類全般のロマンのツボを刺激するようで、このような話は世界中のどこにでもある。
例えばサンタクロースの起源であるヨーロッパのシンタニクラースや沖縄のニライカナイなどは
全部同じような思想から生まれたものだと推測できるし、
オランダのチューリップバブルもそもそもは富の象徴であったトルコから伝来した植物ということで、
象徴への憧れからあのような狂乱を引き起こしたわけだし、東インド会社が中国陶器で大儲けしたのだって、
財を成した商人たちがスパイスと絹と黄金のジパング伝説に更なる繁栄を夢見たからだ。

時の権力者にはさらなる富の象徴として。
信長しかり、秀吉しかり。
そしてつつましく暮らす市井の人々には、自分たちをばら色の世界に連れて行ってくれる救世主として。


今回フィーチャーされている「泰西王侯騎馬図屏風」は日本人が描いたものらしいが、
少なくとも表面的に見ただけではヨーロッパで散々見た宗教画のひとつと変わらない。
(屏風仕立てになっているのが不思議なだけだ)
どう見ても渡来品なのだが、描く技術を調べると明確に西洋の方式ではなく
日本古来の技術や絵具が使われているらしい。


私たちのはるか昔の祖先たちは、見たこともないような肌の色の違う人々や衣装や装束を
どうやってこれだけ見事に描きあげることができたのだろう。
そして今ではジャパンとまで言われる日本が誇る蒔絵を施した数々の聖職品。
桜やもみじに囲まれたキリストの偶像の美しさ。


中国陶器への憧れがボーンチャイナを生んだように、
私たちの祖先は異文化が自分たちを高みに連れて行ってくれると信じて疑わず、
心から憧れ、その域へ登りたいと真剣に望み努力した。
それらの純朴である意味幼い心が生んだモノたちは、
だから今見るとエネルギーと希望にあふれていてまぶしいくらいだ。

その後の弾圧とたどった悲劇のことを考えると胸が痛むが、
何かが生まれる時というのはそういうものなのかもしれない。
人の憧れほどエネルギーを生み出すものはないはずだから。

スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

hijiri

Author:hijiri
長年のITまみれな生活を経て、着物と煙管、和文化と美しいもの、酒と美食(B級)をこよなく愛する生活。
■日本の文化と”今”をつなぐ再実感マガジンJapaaanでライターやってます。
http://mag.japaaan.com/
■cafeglobe読者エディター、やらせて頂いてます。
http://www.cafeglobe.com/2013/06/030174cafeglobe_readers.html
■ミラーサイトはこちら http://ameblo.jp/hijiri-info

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。