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2007-02-25

今月の映画 「 蒼き狼 地果て海尽きるまで」


映画 蒼き狼 地果て海尽きるまで



いきなりこんなことを書くと恐縮だが、昔むかし、角川映画の大作「天と地を」を観て、招待券で観たにも関わらず「私の時間を返してくれ!」と思ったことがある。
誤解を招かないよう書いておくが、映像は特Aレベルだったし、戦闘シーンの色あいの美しさなんかは素晴らしかったのだが、映画としてみるとまるで感情移入ができなかったというか、話が超特急過ぎるというか、なんだか観ているこっちが置いてきぼりをくらったようなものすごく消化不良な感覚があったのだ。
映像があくまで美しく、その緻密さに制作費の膨大さも容易に想像できるだけに、よけい”もったいなさ”が募ってそういう感想になったのだと思う。


どうしてこんなことを書いたかというと、この「 蒼き狼 地果て海尽きるまで」の戦闘シーンがまさにこのときの感動的戦闘シーンにそっくりだったのだ。
壮大な大地に無数のエキストラを動員して撮影された戦闘シーンは、青いテムジン軍、ケレイト部族軍の黄色、メルキト部族軍の赤が混じり合い、見事に美しい。

角川春樹プロデューサー、よほどこの手の表現がお好きらしい。



というわけで、今回の「蒼き狼」である。



以前程「時間を返せ」的な気分にはならなかったが、やっぱり主人公テムジンに微妙に感情移入ができないのが痛い。
エピソードは血塗れなのに、妙に”いい人テムジン”的な表現なのがさらにその気分を増長させている気がする。彼のカリスマ性とかタレント性なんかがさっぱり伝わって来ないし、彼がどういう人間なのかまったく感じられないのだ。
よっぽど宿敵役(?)のジャムカや、欲深そうなケレイト部族の長トオリルなんかの方が、人間味を感じてしまう。

映画というより記録というような、エピソードの多さもどうなのか。キャラの立ち位置と役割が実感できないまま、気が付いたら死んでいたりするしねえ。(苦笑)
スピード感があると言えば聞こえはいいが、なんか”さくっと映像化してみました”な印象しかもてないのが辛い。息子ジュチとの確執と哀しみなんて、テレビの予告なんかだと映画の主軸みたいな感じなのに、実際には全然扱いが軽いのはなぜなんだ??
前半のテムジンがチンギス・ハーンになるまでのストーリーにあれだけ時間をかけるならば、後半はもっとじっくり息子との話を掘り下げて欲しかったと思う。泣ける話なだけにホントに”もったいない”


同じようなことが女性を巡る話にも思える。若村麻由美演じるテムジンの母ホエルンなんてホントにいいキャラだし、テムジンの愛妻のボルテのエピソードなんかも、息子ジュチの物語に繋がるだけに結果的にはただの「エピソードのひとつ」みたいになってしまっているのが惜しい。”戦利品”扱いしかされなかったモンゴルの女性達の悲しみみたいなものをもっとしっかりと観せてほかったなと思う。


キャストはさすが角川総力を挙げた映画なだけに豪華だが、なんといってもホエルンを演じた若村麻由美が素晴らしい。キーパーソンでもあるだけあって素晴らしい存在感で演じきっている。後はやはりジャムカを演じた平山恭介の存在感か。モデル出身と思っていたら演技力もなかなかなのは正直びっくりだった。
逆にオーディションで選ばれたAraは、キレイだけどやっぱり見ていてつらい演技力。日本語もままならないらしく、なぜ彼女だったのか理解に苦しむ。テムジンの第二夫人であり、共に戦う仲間でもあったクランはかなり重要な役だったはずで、演技力のある女優さんを起用していたら全然印象が違ったはずなのになー。
主役テムジン役の反町隆史は・・・・うーむ、なんか彼ってどんな役やっても「ご本人」なんだよねー。外見がああだから衣装的にも雰囲気的にも無理はなかったけど、やっぱり偉人の一生を演じるには少し役不足だったかも知れない。



こうやって書いてみると、ひとつひとつのパーツはいいし、よくできているのだな、と改めて思う。残念なことに、最後の最後のまとまり的なところでコケてしまっているのだろう。組立に失敗したプラモデルみたいに。
細部にこだわるのはいいけれど、少しヒキの視線を持って作ったらもっとよかったのではないかと思わせられる映画。壮大なモンゴルの風景と空気感は充分に伝わるだけに、やっぱり今回の感想も”もったいない”かな。(笑)









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プロフィール

hijiri

Author:hijiri
長年のITまみれな生活を経て、着物と煙管、和文化と美しいもの、酒と美食(B級)をこよなく愛する生活。
■日本の文化と”今”をつなぐ再実感マガジンJapaaanでライターやってます。
http://mag.japaaan.com/
■cafeglobe読者エディター、やらせて頂いてます。
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■ミラーサイトはこちら http://ameblo.jp/hijiri-info

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