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2007-06-10

今月の映画 「転校生 さよならあなた」


映画 転校生

中学3年になる斉藤一夫は、両親の離婚を機に、尾道から幼少期を過ごした信州に引っ越してくる。転校先の中学で幼馴染の斉藤一美と再会する。偶然の再会を喜ぶ一美は、思い出話をするが、一夫は聞く気になれない。
そんな一夫を、「昔を思い出させてあげる」と言って、幼い頃よく遊んだ蕎麦屋の水場に連れて来る一美。水を汲もうと柄杓を伸ばした途端、足を滑らせ水場に落ちる二人。這い上がった時、二人の体だけが入れ替わっていた・・・・・。



大林宣彦監督の「転校生」といえば、尾道三部作。
まだ二十歳前だった小林聡美の出世作であり、瀬戸内の尾道を観光名所に押し上げた名作シリーズとして、ある年代の人間には懐かしさをも感じさせる名作だ。

そんな作品を監督自らリメイクするということで、ハンカチを用意して(?)期待していた。





・・・・・えーと。



舞台を信州に移したとはいえ、一夫が尾道から転校してくるというのも往年のファンには嬉しい設定だし、主人公二人の演技力も素晴らしく、大林監督らしいノスタルジックな味付けも健在だ。
信州はよく行くから馴染みの場所が多くて観ていて楽しかったし、海沿いの尾道の開放感から、山間部である信州の閉塞感もよく表現されていたと思う。


しかし、オープニングにクレジットされた「未来の子供たちへ」の文字や、途中に画面に現れる短歌、そして周りに知らせずになんとかしようと奮闘する二人に比べて、あまりにステレオタイプの大人達。


あまりにもわかりやすく、テーマを言葉で説明してしまう無粋さ、ある意味あざとさまで感じたのは私だけだろうか。



そして、救いのないラストシーン。
ネタバレになってしまうが、一美が大人にならずに死んでしまうのなら、彼らが入れ替わった意味はどこにあるのだろう。
どちらが死ぬかどうかの義侠心なのか、相手に対する愛情なのか、一夫と仲間の成長なのか、そのためには犠牲がつきものだということなのか。


彼女の死によって、全てのつじつまが表面的には病気のせいになってしまう。
まるで韓流ドラマのような安易なラストは、できれば観たくなかったような気がする。




主役二人を演じた蓮佛美沙子嬢と森田直幸君の演技力は文句の付けようがなかった。特に一美役の蓮佛嬢はとても初主演と思えない男前さ。
実際に見ると小柄な美少女なのに、スクリーンではとても普通に見える。それがまたいい。
また彼女のボーイフレンド役の厚木拓郎は、さすが大林監督の秘蔵っ子というだけあって、周りの大人を喰う勢いの存在感。将来が楽しみな役者さんである。




一美の死によって、それまでの全てはリセットされ、彼らはそれぞれ旅立っていく。
彼女は思い出からいずれ過去になる。
それが”死ぬ”ということなのだと見せつけたかったのだとしたら、この映画は監督から、いつまでも子供ではいられない「未来の子供たち」へのメッセージと言えるのかもしれない。









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プロフィール

hijiri

Author:hijiri
長年のITまみれな生活を経て、着物と煙管、和文化と美しいもの、酒と美食(B級)をこよなく愛する生活。
■日本の文化と”今”をつなぐ再実感マガジンJapaaanでライターやってます。
http://mag.japaaan.com/
■cafeglobe読者エディター、やらせて頂いてます。
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