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2008-02-03

今月の映画 「人のセックスを笑うな」







口に出すには微妙にはばかられるタイトルはどうにかして欲しいですが(笑)
早くも私の今年度ベストスリーに入りそうな作品。
ただし、好みはきっぱり分かれると思います。


世の映画評では自由奔放な女性ユリが純情な若きみるめを誘惑したという視点で語られているみたいですが、私には逆にユリの切なさの方が感じられました。


最初は色っぽくかわいい大人のユリと関係ができて有頂天のみるめ。
そのみるめの若さゆえの自意識過剰に
ユリは確かに一度失恋してます。というか失望してる。
結婚しているとわかって、連絡を絶たれたところで後でどれだけ追いかけられたとしても、
やっぱり彼女の中では一度ラインが引かれてしまったのだと思います。


「我慢するのつらかった。会いたかった」
そう言われた時のユリのなんともいえない表情。




彼女はたぶん、彼女が言うようにみるめに
「触ってみたかった」だけ。
それは間違いなく純粋な衝動だったのだろうと思います。


けれども、どれだけ彼女が純粋に誰かを好きになろうが、
離婚しない限り「不倫」か「遊び」にしかならないこの世の中の基準では、
顔を上げてなにもなかったように笑う以外、できることはきっとない。

「好き」と「所有欲」は似て非なるものだから。



インドにいると言い、「一人でいろいろ考えたかった」というユリに
猪熊さんと一緒じゃないかと責めるみるめ。
けれども二人でいても一人になれる、そんな空気みたいな関係は
夫婦の姿としてはぞっとするくらいリアルです。
そしてそうでなければ、たぶん”生活”はできない。

スイーツがなくても生きていけるけど、空気や水がなければ死んでしまう。
味がどうこうとかときめきとか、そんなのとはまったく別の次元。


ある存在があって、そのときのその人の人生が存在する。
誰かを純粋に好きになったとしても、そのためにすべてを壊すほど、
積み上げてきたものも時間も軽くはない。

そして、そんなある意味安定している大人だからこそ
与えるだけの恋愛は、この上なく幸せだけどものすごく不幸で寂しい。

心がからっぽになってしまうのです。



若さゆえに欲しがるだけのみるめは、だからこそ残酷で
けれども恋せずにはきっといられない”愛しい”存在だったに違いなくて。



えんちゃんとの会話の中で結婚していることを責められ
「だって触ってみたかったんだもん」と言うユリ。
「やっぱダメかなあ」と笑って言う言葉は、たぶんユリの唯一の本音だと思う。



キャストがまたぴったりで、永作さんの魅力的なユリは同姓でもほんとに惚れそう。
自意識過剰ないまどき青年みるめの松山ケンイチ、蒼井優という
若手でも演技はピカイチなキャストで描く世界は、
誰かには確実に自己投影できるはず、なリアル感。




どこにでも転がっているようないかれた恋愛話。
でもあんな風に笑い合えたら、恋に落ちてしまわないほうがおかしい。


最後にクレジットに出る言葉。

「会えないからといって、恋が終わるわけじゃないだろう」

たとえ会えなくなっても、相手が遠くに行ったとしても、
彼女がいようが、結婚してようが、旦那がいようが、
どれだけ相手がダメ人間だろうが、馬鹿だろうが、年齢が離れてようが、
そんなもので恋は終わってはくれない。

どんなにせつなくても。


そしてその馬鹿さ加減が、たぶんきっと恋。

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プロフィール

hijiri

Author:hijiri
長年のITまみれな生活を経て、着物と煙管、和文化と美しいもの、酒と美食(B級)をこよなく愛する生活。
■日本の文化と”今”をつなぐ再実感マガジンJapaaanでライターやってます。
http://mag.japaaan.com/
■cafeglobe読者エディター、やらせて頂いてます。
http://www.cafeglobe.com/2013/06/030174cafeglobe_readers.html
■ミラーサイトはこちら http://ameblo.jp/hijiri-info

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