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2008-06-11

今月の映画 「クライマーズ・ハイ」






1985年8月12日、群馬県御巣鷹山にJAL123便が墜落、死者520人の大惨事が起こった。前橋にある北関東新聞社では、白河社長の鶴の一声により、一匹狼の遊軍記者・悠木和雅が全権デスクに任命される。そして未曽有の大事故を報道する紙面作り―闘いの日々が幕を開けた。さっそく悠木は県警キャップの佐山らを事故現場へ向かわせる。そんな時、販売部の同僚で無二の親友・安西がクモ膜下出血で倒れたとの知らせが届く。。。


小説を映像化することにはかなりのリスクが伴うことだと思う。二次元の自由な想像世界から、実在の三次元へ。
実際に起こったこととはいえ、様々な制約があったことは想像に難くない。


そういう視点で見れば、よくぞ映像化した、というのがまずは正直な感想だった。
文章の間からにじみ出る苛立ちやプライド、功名への憧れとあせり。混乱していく現場の中で、その一瞬での判断を迫られる人々と底裏に隠された様々な事情やあきらめ、若さや老いが、見事にスクリーンに再現した手腕には素直に感動を覚える。
穿り出されていく様々なひずみにも結果的には答えが出ないのは、映画だからこそ「せめて」という、少しじれったい気もしないわけではないが、結局それは夢でしかないということなのだろう。

自分の人生に悩みながら信念に忠実な主人公を演じた堤真一は文句なく素晴らしく、脇役と言ってしまっていいのかと思うくらい豪華な役者陣、山崎努、遠藤憲一、田口トモロヲ、マギーなどの演技も見事だったが、なんといっても印象に残ったのは県警キャップの佐山を演じた堺雅人。功名心と若さ、けれどもそこだけに留まれないだけの経験と突き抜けきることができない職業人としてのプライド、そんな危うさとふてぶてしさのある佐倉像は、この作品のひとつの要だと思う。


実在の事件であるから、見る人によって様々な感想があるだろうと思う。事実私の場合、父親があの便に乗るはずで、仕事の都合で一本ずらしたという事情がある。
その後、彼が「自分の代わりに誰かが犠牲になった」と密かに苦しんでいたことを思い出す。
加熱する報道合戦と裏腹に、様々な人生が交差し明暗を分けたことは、けしてフィクションではない。忘れてはいけない事実だ。

そこをきちんと踏まえて作られたこの作品は、見ていてけして楽しいものではない。けれども、報道という特殊な世界で必死に生きた男達の記録であり、あの事件を風化させないための力を持った良作だと思う。
特に男性にはお勧めですね。


クライマーズ・ハイという登山用語がタイトルだったせいか、作品の内容と登山との結びつけがうまく結びついていなかったのが、唯一残念なポイントだったかな。
正直、ラストは余計かな、って気はする(笑)




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hijiri

Author:hijiri
長年のITまみれな生活を経て、着物と煙管、和文化と美しいもの、酒と美食(B級)をこよなく愛する生活。
■日本の文化と”今”をつなぐ再実感マガジンJapaaanでライターやってます。
http://mag.japaaan.com/
■cafeglobe読者エディター、やらせて頂いてます。
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