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2006-05-04

今月の映画 「タイヨウのうた」


映画タイヨウのうた


雨音薫、16才。学校に行かず、夜になると駅前の広場で歌い続ける毎日。彼女は、太陽の光にあたれないXP(色素性乾皮症)という病気を抱え、昼と夜の逆転した孤独な毎日を送る彼女は歌うことでしか生きていることを実感することができない。

そんな彼女の秘密の楽しみ、それは、彼女が眠りにつく明け方からサーフィンに向かう孝治を部屋の窓から眺めることだった。太陽の下では決して出会う事のない二人だったが、運命は二人を引き寄せる・・・。



涙には浄化作用があるそうだ。そのせいかなんとなく落ち込んだり疲れているとき、無性に大泣きしたいな、と思うことがままある。けれども実際の生活では”泣く”ってことは案外少ない。

そんなことないわ、私よく泣いちゃうよ、っていう人でも、よく考えればほとんどの場合は悲しいよりも悔しいとか情けないとかいう理由の方が多いんじゃないだろうか。

結果的には『泣けそうな、泣かしてくれそうな映画』を観に行くくらいしか選択肢はないし、その方が人生はおおむね平和だ。

しかし、これがまた難しいんだけど『泣けるはずの映画』で泣けないことの方が多いんですね。なにが壊れているのか、セカチューもタイタニックも冬ソナも軒並み全滅な私。いったいどこに行けば泣かせてもらえるんだ?と叫びたくなることも多々あるのである。(ちょっと大げさ?(苦笑))



さて、白状してしまうが、実はあんまり期待せずに観に行ったこの映画。だって、普通の生活が送れない少女が出会うはずのない少年と出会い恋に落ち・・・ってあなた、思いっきりお涙頂戴モノの王道じゃないですか。

そういうべたべたしたの、悪いとは言わないけど泣けないしさー、みたいな。


勝手にイメージしててごめんなさい。

ホントに久々に泣かせていただきました。






特筆すべきは主人公薫を演じたYUI。初の演技とはとても思えない。本業だから歌も当然うまいし、本人のキャラクターに近いのかもしれないけど、素直になれないしなりたくもない女の子像はとてもリアルで共感が持てる。

うれしいだろうはずの時でも観ている方がはらはらするくらいそっけなくって、でも傷つきやすい女の子。少したって相手に背を向けてから、こっそり本当にうれしそうな顔をしたりするのがまたかわいくて切ない。(人間若いうちはそんなにすぐに感情に反応できるほど、素直でもないし人間もできていない)

孝治役の塚本高史も、古いところでは木更津キャッツアイや最近は倖田來未のビデオクリップ等にも出演していて、どちらかというと今風というかちょっと世をすねたクセのある役が多かったのだけど、この映画では180度違う素直でまっすぐで単純で気の優しい熱い男の子を演じていて、またこれがピタリとはまっている。元々演技力はある方だし、白状すると結構好みの顔立ちなので(笑)注目していたのだけど、現在さらに私的赤丸急上昇中。

頼むからそんなところでそんな目をするな~、って感じ。いや、好みだけの話じゃなくって。(笑)


薫の父親役の岸谷五郎、この人も「月はどっちに出ている」の頃から玄人好みの芸達者な役者さんだったけど、シリアスに泣かせてそのくせどこか笑わせる演技はまさにこの人の真骨頂。病院のシーンなんか思わずもらい泣きしてしまう。母親役の麻木久仁子に親友役の遠山愛里、そして主治医。主な出演者はこの六人だけだが、いずれも変に泣かせる演技もしないし、感情丸出しの演技もしない。だからさらさらと手触りのいい作品に仕上がったのだろうと思う。


なにもかもが押しつけがましくなくて、淡々としていて、だからこそとても切ない。恋に落ちる瞬間とか、想いを振り切る瞬間とか、本当に丁寧に丁寧に描かれている。

最後に孝治は言う。「それからまもなく彼女は死にました」

「亡くなった」でも「天に召された」でも「空に帰っていった」でもない。ただ「死にました」それは事実、そしてそれだけのこと。

そこにどれだけの悲しみや後悔があろうとも心が張り裂けそうでも、彼は生きている。だからそれでいいし、それ以外のことなんて誰にも出来やしないのだ。


どんな出来事でも過去になるし思い出になる。

それが寂しいことも多いけれど、だから人は生きていける。

 

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プロフィール

hijiri

Author:hijiri
長年のITまみれな生活を経て、着物と煙管、和文化と美しいもの、酒と美食(B級)をこよなく愛する生活。
■日本の文化と”今”をつなぐ再実感マガジンJapaaanでライターやってます。
http://mag.japaaan.com/
■cafeglobe読者エディター、やらせて頂いてます。
http://www.cafeglobe.com/2013/06/030174cafeglobe_readers.html
■ミラーサイトはこちら http://ameblo.jp/hijiri-info

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