--------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2006-06-28

今月の映画 「美しい人」


映画美しい人


サンドラ、ダイアナ、ホリー、ソニア、サマンサ、ローラ、ルース、カミール、マギー。

濁を抱えながらそれぞれの人生を生きていく、美しい九人の女性の物語。


交差しながら淡々とつづられる九人の女性達の物語。

もしかしたら彼女は彼女の過去かもしれないし、同じ時間軸の平行した物語であるのかもしれない。

他人の人生では脇役である人間も、自分自身の物語では傷ついた主人公にもなりうる。自分が傷つき孤独を感じている時、実際以上に周りの人達が順調にやっているように見えるものだけれど、傷つかない人はいないし、重さは違えど澱んだ”なにか”を持たない人もいない。


タイトルの「美しい人」を裏切るように、外観はどうであれ、心が疲労しきっている彼女たちはとても”美しい”とは言い難い。

孤独は言い換えれば空虚感だ。けれど観ているうちに、人生っていうのは”空っぽ”になることもないのだと思えてくる。

まったくなにも持っていない人はいない。振り返れば必ず”なにか”(この映画では「愛」ってことになるのかな)が側にある。それは思い出だったり家族だったり、押し込めていた想いだったり。

それらに気が付いた彼女達は急に画面の中で綺麗になる。

その変化は内心「おっ」と思うくらいだ。


まさにこれが監督の言いたかった「美しい人」なのかも知れない。


さすがの演技力を備えた女優達のゴージャスな顔ぶれ。(グレン・グローズの凄みといったら!)

基本的にワンシーン、ワンカットの画面。

地味な物語を『魅せる』為にはこれ以上の手法はないだろうが、のほほんと観ているという感じでもない。はっきり言って館内の静けさは異様なくらいだったし。

バックに流れる音楽がないということも、観る方に知らずに集中力を課すことを改めて感じた。そういう意味では、贅沢であるけれど観ることにエネルギーがいる映画だとも言えるかも知れない。


それぞれが10分ほどの短い物語の中、「Why?(なぜ」という部分は徹底的に省かれている。サマンサがなぜ服役するはめになったのか、ホリーはなぜ家を出たのか、マギーはどうして娘を失うはめになったのか。


彼女達が一番口にするセリフも「Why?(なぜ」。

なぜ?どうして?どうしてこんなことになったの?


答えはそれぞれの人の中にある。

そう、人生と同じです。

スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

hijiri

Author:hijiri
長年のITまみれな生活を経て、着物と煙管、和文化と美しいもの、酒と美食(B級)をこよなく愛する生活。
■日本の文化と”今”をつなぐ再実感マガジンJapaaanでライターやってます。
http://mag.japaaan.com/
■cafeglobe読者エディター、やらせて頂いてます。
http://www.cafeglobe.com/2013/06/030174cafeglobe_readers.html
■ミラーサイトはこちら http://ameblo.jp/hijiri-info

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。