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2008-10-06

今月の映画 「ブリュレ」




日名子と水那子は父が不慮の事故で死んでからそれぞれ九州に住む祖母と東北に住むケーキ職人の叔父に育てられてきた。2人は13年間会うことはなかったが、日名子は祖母の死をきっかけに、水那子と一緒に暮らすために東北にやってくる。
久しぶりの二人の再会は様々な記憶を呼び覚まし、今までの均衡を崩すかのように急展開を迎える・・・


離れ離れに暮らす双子、13年ぶりの再会、放火、不治の病、逃避行、廃校、クラシカルなホテル、誰もいない礼拝堂。
事故で失った家族、味覚障害を持ったケーキ職人の叔父、少女に恋焦がれる消防士見習い、足を折って開店休業なキックボクサー。


観終わった後にまず思ったのは、「禅問答のような映画だな」ということ。
意味深なモチーフをちりばめ、観ようによってどうとでも取れるような、観るたびに印象が変わるような、そんなカオスのような作品である。
セリフが極端に少なく、言葉というか単語の羅列のようで、それもそのような面を強調しているかもしれない。途中に教会のシーンも出てくるが、聖書のような言葉回しというか。
自主映画から企画が出発したという独特の雰囲気は、商業系映画を見慣れているとかなり戸惑うかもしれない。



簡単に言えば、ある種近親相姦的な感情で結びついた双子の物語。
お互いを探すために火をつける、というその行為自体は常識的な感覚ではまず考えられないが、双子という特殊なたたずまい(一卵性なので確かにそっくり)に妙な迫力と説得力を付け加えているともいえる。
これがただの男女の恋愛物語だったら、さらにうそ臭さだけが鼻についただろう。そういう意味では、双子という特殊な存在があったからこそ成立している作品だと言えるのかもしれない。


外見がそっくりな上に、声もそっくり。どちらが今しゃべっているのか、どちらがどちらなのか時々わからなくなる。
もしかして、本人達でさえ、今の思いが自分のものなのか、相手のものなのか、わからなくなったりしないのだろうか。

実際には一人ひとりの個性があるはずであるのにこんなことを言うのは失礼なのかもしれないが、この映画を観ていて、双子というのはもしかしたら二人がいて、はじめて一つの個と成立する存在なのかもしれない、と思えた。
その半身を切望する熱さが、この二人にとっては火をつけるということだったのではないかと。




丁寧にロケしたらしい各地の風景がとても美しい。
日本の地方は、どんな海外の風景にも負けずに美しいことを、たぶんこの監督は知っているのだろう。


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プロフィール

hijiri

Author:hijiri
長年のITまみれな生活を経て、着物と煙管、和文化と美しいもの、酒と美食(B級)をこよなく愛する生活。
■日本の文化と”今”をつなぐ再実感マガジンJapaaanでライターやってます。
http://mag.japaaan.com/
■cafeglobe読者エディター、やらせて頂いてます。
http://www.cafeglobe.com/2013/06/030174cafeglobe_readers.html
■ミラーサイトはこちら http://ameblo.jp/hijiri-info

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