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2008-12-21

今月の映画 「K-20 怪人二十面相・伝」






1945年の架空都市<帝都>。19世紀から続く華族制度により、極端な格差社会が生じる日本で、世間を脅かしている強盗がいた。“怪人20面相”と呼ばれるその強盗は、富裕層だけをターゲットとし、美術品や骨董品を魔法のようなテクニックで、次々と盗み出すというのだ。
そんなとき、サーカスの人気曲芸師、平吉は謎の人物に依頼され、探偵明智小五郎の婚約式にもぐりこむのだが、そこで怪人20面相だと疑われつかまってしまう・・・。


第2次世界大戦を回避した架空の日本はを舞台にしたこの映画は、「アクション」というよりもどこか「活劇」という言葉が似合う気がする。
そこに、富める者から金品を奪う怪人20面相とそれを追う名探偵明智小五郎とくれば、年配であればノスタルジーとともに、若者ならレトロでキッチュなイメージとともに正統派の冒険娯楽を期待するのだと思うが、さもありなん、その思いは見事に裏切られる。

物語を貫く謎とその最後のどんでん返しを書くと、この映画を観る意味がなくなってしまうのでほとんど何も書けないのだが(汗)、簡単に言えば「怪人20面相の誕生」と、その影に隠れた世間知らずの青年とお嬢さんの成長物語、ということになるのだろう。


色気も演技力もあるのに、なぜか気がよくてまじめな青年を演じさせたら右に出るものがない金城武演じる平吉は、見事に世間知らずで内気で狭い世界で生きている。
そんな彼に対して、これまた天真爛漫な世間知らずで明るいお嬢様をやらせると、見事にはまる松たか子演じる葉子がまたものすごく、いい。
荒唐無稽でアラっぽい物語が妙に見ていてほっとするのは、この二人の”いい人”オーラに起因すること大だろう。


明智小五郎演じる仲村トオルや蓮っ葉で気のいい下町の姐さん高島礼子、ちょい役に 鹿賀丈史とワキを固めるキャストも豪華だが、なんといっても秀悦だったのがからくり技術者源治を演じた國村隼。
いやはや渋くてかっこよくて、どこかのウィスキーのCMではないが、こんな親父やおじさんが欲しいと思わせる存在感はさすがの一言でした。



二冊分の物語を2時間強の映画に詰め込んだせいか、もっと描いて欲しかったこと、見せて欲しかったことはたくさんある。
例えば平吉と明智小五郎の打ち解けていく過程、泥棒長屋の人々の背景や葉子たち華族の生活。その格差やその狭間で苦しむ人々や、そのギャップと人間の欲望のはけ口のために解体されてしまったサーカスの人々の行方。

見終わった後に残る疑問はたくさんある。けれども「活劇」なんだからそれはもしかしたら描く必要がなかったのかもしれない、とも思う。
それらを描いたら、それは社会派の物語になってしまう。少年少女が心をときめかせる正統派の「冒険物語」だからこそ、そんな現実を見るようなディテールは必要なかったのかもしれない。


だからこそ、見終わった後に、ただ「面白かった!」と思えるのだと。
きっと、ただシンプルに。




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プロフィール

hijiri

Author:hijiri
長年のITまみれな生活を経て、着物と煙管、和文化と美しいもの、酒と美食(B級)をこよなく愛する生活。
■日本の文化と”今”をつなぐ再実感マガジンJapaaanでライターやってます。
http://mag.japaaan.com/
■cafeglobe読者エディター、やらせて頂いてます。
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