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2006-12-04

今月の映画 「椿山課長の七日間」


映画椿山課長の七日間-1



映画椿山課長の七日間-2


デパートに勤務する椿山課長はバーゲンで大忙しの中、倒れて突然死してしまう。そんな彼が目を覚ました場所は天国と地獄の中間に位置する“中陰役所”だった。ここでは「天国行き」か「地獄行き」かの審判を下されるのだが、自分の死に納得がいかず、かつ戻る事情があると判断された者は、3日間だけ現世に戻ることが許される。突然死した椿山は、現世への“逆送”を希望。戻ってきた椿山はなぜか若い美女の姿で・・・・。


はっきり言ってごめんなさい、である。

伊藤美咲は同姓から見てもとびきり美しいのは今更言うまでもないが、演技はもうひとつだと思っていた。
どうしてどうしてなかなか健闘している。
さすがに上手いとは言わない。しかし、体当たりの演技にはかなり好感が持てる。


根本的に奇想天外なストーリーだから、物語のつじつまなどは気にするだけ無駄。このおとぎ話をとにかく最後まで”見せきる”ためには、彼女演じる椿があくまで「中年男が間違って美女になった」ということが自然に納得できるかどうか、この一点につきる。
ここにこの映画が成功するか否かの分かれ目なのである。
例えがに股で歩き、オレという言葉遣いをしてもそれが身についていなければ駄目なのである。「ただがさつなだけのおとこ女」では全てがぶちこわし。

口でいうのは簡単だが、なかなか難しい役だ。


もう一度言う。ものすごく上手いとは言わないがかなり健闘している。
外見は美女なのに、中身は人のいいオジサンという強烈キャラを演じたコメディエンヌぶりは下手な薄幸の美女役より向いているのでは。


もう一人の主人公(?)であるやくざの親分も同じこと。彼の場合も「やくざの親分」の風格が漂わなければいけないわけで、間違っても「若いのに粋がっているちんぴら」に見えては全てがぶちこわしである。
貫禄と一言でいうが、視線、態度、その他、どこがどうほころんでも見苦しい難しい役だ。
その点、成宮寛貴の演技は見事。私が最初に彼の演技を見たのは映画「NANA」だったが、あの忠犬ハチ公のようなノブと同一人物が演じているとは思えない”中年男の貫禄”。あのカリスマ的な視線の強さとあまりに自然なやくざな身のこなし(笑)と言ったらどうだろう。
こちらに関しては文句のつけようはない。
とびきりの美声年であることは間違いないが、それに加えてこの演技力はある意味末恐ろしいかも。(笑)


子役二人にしても(花田少年史のペアですな。あ、あの作品だとトリオか)脇役にしても芸達者を揃えていて安心して見られるおとぎ話。
中身が中身だけに家族連れはいまいちお勧めしかねるが、ほっこりした気分になりたいときにはお勧めできる良作だと思う。正直な話、なかなかの拾いものでした。




浅田次郎の作品は、どちらかというとどこか苦さが伴う。隠された事実、知らなかったことが次々に明らかになり、けして全ての人間が清廉潔白ではなく、むしろどろどろした感情と自分勝手な欲望で生きている。
椿山課長は結果的に妻の罪を許した。息子も母と実の親の罪を許した。もしも生きていた時ならばとても受け入れられなかったことだろうにもかかわらず。
けれども、死んだ人間にできることは残された人々を愛することであり、残された人間にできることは生き続けていくことでしかない。それをシンプルに見せてくれる浅田作品だからこそ、どこか割り切れない思いを残しながらも見終わった後にすがすがしい余韻を残すのかも知れない。

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プロフィール

hijiri

Author:hijiri
長年のITまみれな生活を経て、着物と煙管、和文化と美しいもの、酒と美食(B級)をこよなく愛する生活。
■日本の文化と”今”をつなぐ再実感マガジンJapaaanでライターやってます。
http://mag.japaaan.com/
■cafeglobe読者エディター、やらせて頂いてます。
http://www.cafeglobe.com/2013/06/030174cafeglobe_readers.html
■ミラーサイトはこちら http://ameblo.jp/hijiri-info

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