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2009-09-24

今月の映画 「クヒオ大佐」



着物もドレスも、ジーンズも。

着物もドレスも、ジーンズも。


職業は米軍特殊部隊ジェットパイロット、父はカメハメハ大王の末裔、母はエリザベス女王の妹の夫のいとこ。
湾岸戦争が始まった90年代初頭。怪しげな日本語と華麗なる経歴(?)を振りかざしては、女たちを落としていく恋愛詐欺師・クヒオ大佐。そんなクヒオを信じ、献身的に愛し続ける弁当屋の女社長しのぶ。
自然博物館のエリート学芸員の春、ナンバー1ホステスの未知子もまた彼のターゲットとなり、そんなころしのぶの放蕩弟が戻ってきて・・・。


実在のクヒオ大佐は中年の男性だったらしいので、この映画の中のクヒオ大佐はある意味創作らしいが、まさに堺雅人の”クヒオ大佐”というべきの見事に怪しい映画になった。
薄幸である意味かわいそうな女性を演じさせたらピカ一の松雪泰子に、こういう気の強くてもろい上昇志向の強い女の子を演じさせたらはまり役の満島ひかり(「プライド」は彼女の演技力だけでなんとか持っていた)、ちんぴらで勝手で情の深い困ったオトコそのままの新井浩文と、この映画はほぼキャスティングの勝利と言っていいと思う。

見ているうちに、どう考えても怪しいクヒオ大佐に、なぜ女性がそんなしょうもない騙され方をしたのかということがさりげなく投げかけられてくる。
しのぶ、春、未知子とそれぞれ違うと思うのだが、少なくともしのぶの場合は、つらい現実に現れた「王子様」であり、孤軍奮闘の自分を望んでくれた人物であり、だからたぶんクヒオが本物かどうかというのはあまり関係なかったような気がする。
だまされてもよかった、と言ってしまうと陳腐だが、クヒオもつらい現実から逃げるために夢と現実が入れ替わってしまった人物であり(という風に思える描写が出てくる。実際はどうかわからないが)だからその入れ替わった夢の方が現実だと受け入れてくれる女性を求めていた、ということなのではないだろうか。
たぶんしのぶもそこに自分の役割を見出せたことが、むしろ幸せに感じていたような気がする。

「騙したのではない。相手が望むようにしただけだ。」

詐欺はもちろん犯罪だが、詐欺という意識がなければそれはおろかな嘘でもある。
嘘に逃げたい弱い人間が作り出した夢が交差するとき、彼らのような傍からみたらこっけいな出来事が現実に起こるのかもしれない。


実在の人物ということで、結果どうなるのかも期待は高まるのだが、映画は淡々と進んでいくだけで、最後もあいまいなまま終わってしまう。
アメリカと日本の関係を絡めたのは面白い演出だったと思うけれど、その割にはどちらかというと中盤でかなりだらけるし、クヒオはいったいなぜこういうことをしていたのか、というような疑問の答えが暗示されるだけなので、見終わった後にフラストレーションはちょっと溜まる。
でも、なんだか納得できるような気がする。
そんな不思議な映画ではある。

好き嫌いは分かれそうだが、堺雅人の見事な演技と宇宙人ぶりは一見の価値はあるかもしれない。


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プロフィール

hijiri

Author:hijiri
長年のITまみれな生活を経て、着物と煙管、和文化と美しいもの、酒と美食(B級)をこよなく愛する生活。
■日本の文化と”今”をつなぐ再実感マガジンJapaaanでライターやってます。
http://mag.japaaan.com/
■cafeglobe読者エディター、やらせて頂いてます。
http://www.cafeglobe.com/2013/06/030174cafeglobe_readers.html
■ミラーサイトはこちら http://ameblo.jp/hijiri-info

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