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2009-10-12

今月の映画 「きみがぼくを見つけた日」


着物もドレスも、ジーンズも。


ヘンリーは、時空を旅する男。自分の意思とは関係なく、過去と未来を行き来してしまう。いつ、どこへ行くのかは、彼にもわからない。 

心の傷と、誰も信じてくれない秘密を抱え、ひとりぼっちの人生を送っていたヘンリー。ある日、過去に舞い降りた彼は、野原に隠れているところを一人の少女に見つけられる。彼女の名前は、クレア。純真無垢な6歳の少女は、ヘンリーの「未来から来た」という言葉を、すぐに信じる。その日から、ヘンリーはクレアの前に頻繁に現れる。少女から女性へと移り変わる季節の中で、クレアのヘンリーへの想いは、信頼からときめきへと変わっていく。

そしてついにクレアは、若きヘンリーとめぐり会う。自分のすべてを受け入れてもらえる喜びを知ったヘンリー。少女時代の“理想の恋人”に再会し、運命に感謝するクレア。二人は、時空に引き裂かれる障害など忘れたかのように、まっすぐに恋に落ちる。

「失ったら耐えられない存在は、作るまい」と思っていたヘンリーは、母の形見のリングを手に、クレアに結婚を申し込む。「何千回でもイエスと言うわ」初めて愛した人の答えは、ヘンリーの心に永遠に刻まれた。しかし、幸せに目隠しされていた二人には、見えなかった・・・愛すれば愛するほど、時空に引き裂かれることが、どんなに辛いかを。



運命に引き裂かれる悲恋、のようなイメージで見に行って、見事に裏切られた。
これは一過性の恋愛の話ではない。
そしてクリスマスのシーンで、ラストで、その思いとやるせなさにワンワン泣いた。


時空を旅するというとロマンチックだが、体ひとつ着るものもなく時間軸を飛び越えるヘンリーは情けないの一言に尽きる。
泥棒も厭わず衣服を手に入れ、犯罪者として追われることも多々・・・いつかは終わる夢としても、こんな悪夢はそうないだろう。
そんな彼がある日であった少女クレアは、未来からきたというヘンリーの言葉を信じる。そして彼に恋をする。
他人を避けるように生きてきた彼にとって、彼女の純粋な視線や思いはどれだけの救いであったかは想像に難くない。

そしてまだまだ少女の自分に現れた大人の男ヘンリー。大人になる道筋をずっと暖かく見守ってきてくれた大人の男、そして心待ちしなければ会いにきてくれない冷たい男。けれども必ず戻ってきてくれる男。
そんな存在に恋をしない少女なんてそうはいないだろう。

そして彼らは恋に落ちる。

運命なんて、そして運命の恋なんてそんなもの。
だからこそ抗うことなんてできない。

いくら運命を呪っても、変えることなんかできやしない。
ただ、普通ならここでハッピーエンドだったというだけだ。
彼の特殊能力さえなければ。


クレアを演じるレイチェル・マクアダムスは「きみに読む物語」のときと同様、いいところのお嬢さんで、ある意味単純で純粋で生命力にあふれた女の子を演じたら本当に並ぶものがない。美人というよりチャーミングな生き生きとした表情、魅力的というのはこういうことを言うのではあるまいか。
ヘンリーと図書館で再会するシーンなど、キュートで一生懸命な魅力にあふれていて、見ているこっちが落ちそうなくらいである。(オイ)
ヘンリー演じるエリック・バナは、そもそもの正統派ハンサムっぷりに、若い時代の苦々しい輝きと、中年時代の安定した魅力を見事に追加で演じわけていて、理想のヒーローっぷりだったと思う。

なお、特筆すべきは彼らの娘とクレアの少女時代を演じた子役二人。
名前がわからないのだが、二人ともものすごく魅力的で大人でせつなくて、映画の彩りを決定付けていたと思う。



愛する人と同じ時空を存在することくらい幸せなことはない、たぶん。
手を伸ばせばそこにいる。同じ記憶を共有できる。
同じヘンリーでも、昨日のヘンリーは、一年後のヘンリーは、今ここにいるヘンリーとは本当は違う時空を生きているのだから。
今の自分と同じものを見て今そこにその人がいてくれる。同じ空気を感じられる。それ以上の幸せなんてたぶんない。
時々忘れてしまうけれど。

だから、愛する人が死んでしまったら、それはもちろん悲しい。悲しいけれど、でもたったひとつだけ救いがある。
それは、そこで時間が止まること、あきらめることができること。無理やりにでも乗り越えることができれば次に向かって歩き出せること。
もう次の時間軸は、未来の時間はないのだから。

そういう意味ではクレアは最大に幸せで最大に不幸だ。
彼女はきっとずっとヘンリーを待っているのだろうから。

どの時空のヘンリーでも、どの年齢のヘンリーでも、自分と時間を共有したヘンリーでなくても。彼が自分の目の前に現れる可能性がある限り。
いつ彼が現れてもいいように、森の中に衣服を準備しながら。

きっと、自分の命が終わる、自分の死で永遠の恋が終わる、そのときまで。



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プロフィール

hijiri

Author:hijiri
長年のITまみれな生活を経て、着物と煙管、和文化と美しいもの、酒と美食(B級)をこよなく愛する生活。
■日本の文化と”今”をつなぐ再実感マガジンJapaaanでライターやってます。
http://mag.japaaan.com/
■cafeglobe読者エディター、やらせて頂いてます。
http://www.cafeglobe.com/2013/06/030174cafeglobe_readers.html
■ミラーサイトはこちら http://ameblo.jp/hijiri-info

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