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2009-11-20

今月の映画 「サイドウェイズ」


着物もドレスも、ジーンズも。

20年振りにロサンゼルスに降り立ったシナリオライターの道雄と、道雄の留学時代の親友で、かつてはTVのヒーロー番組の主人公を演じた事があるが、今はロサンゼルスのレストランで雇われ店長をしている大介。二人は、大介の結婚式を前にワインの産地ナパ・バレーへドライブ旅行をする事に。訪れたレストランでかつての片思いの相手、麻有子と再会した道雄たちだったが・・・・。




リメイクものをオリジナルと比べるのは、あまり好きではない。

オリジナルにはオリジナルのよさがあるし、リメイクにはリメイクのよさ、ある意味「やむ終えない変更」が魅力になることも多いからだ。


けれども、見終わったときになにか消化不良のような、オリジナルを見たときのような苦さもあるけれどもさわやかな味わいがどこかなくなってしまっている印象を持った。

主人公を演じる小日向文世をはじめ、生瀬勝久(尻軽プレイボーイ役が最高!ぴったり!!)、菊地凛子(恋する普通の女の子がものすごくキュートでかわいい!)、鈴木京香といった芸達者な役者をそろえて過不足なし(むしろ素晴らしい)、脚本賞を取った原作も演出や小道具にも細やかな気遣いでよく作りこまれている。

なのになぜだろうと思ったのだが、はたと気がついた。


薄いのだ。


薄いという言葉でわかりにくければ、奇麗事と言ってしまってもいい。起こるエピソードの一つ一つに感じられたほの苦さが消えてしまっている。


赤ワインにアルコールの苦味や渋みがなかったらどうだろう。

ぶどうジュースは確かに口当たりはいいが、するすると飲めてしまってけして舌には残らない。

同じように、もう人生も半ばを過ぎて未だに道に迷ってしまっている男と若さを失い素直になれない女たちの寄り道は、そんなに甘くてスムーズであるわけがない。

”いい思い出”だけで終われるほど、シンプルではないのだ。


ポール・ジアマッティとトーマス・ヘイデン・チャーチが演じたオリジナルはそのあたりの悲哀が見事に滲んでいた。

先はどうなるかわからない。このままかもしれない。

けれども変わるかもしれない。

それはけして劇的に変わることではなく、失望感が払拭されないままで、それでも生きていくしかないのだ。大人たちは。



さらりとした口当たりは、これはこれで好きな人もいるだろう。

いや、むしろ大人のファンタジーとしては、このくらいの方がよいのかもしれない。

現実をまたそれなりに生きていくためには。たまには甘い味わいも必要なのかもしれないから。



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プロフィール

hijiri

Author:hijiri
長年のITまみれな生活を経て、着物と煙管、和文化と美しいもの、酒と美食(B級)をこよなく愛する生活。
■日本の文化と”今”をつなぐ再実感マガジンJapaaanでライターやってます。
http://mag.japaaan.com/
■cafeglobe読者エディター、やらせて頂いてます。
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■ミラーサイトはこちら http://ameblo.jp/hijiri-info

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