--------

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2005-10-02

平成17年度 第60回芸術祭オープニング 「ジゼル ~能とバレエによる~」


ジゼル


数カ月ぶりの能。


バレエの定番の悲恋物語「ジゼル」を能で上演すると知ったときはかなり半信半疑だった。
昔、平家物語をバレエにしたという新作バレエを見てげっそりした覚えがあるので(地味すぎて)よけいだったのかも知れない。

しかし、はっきりいってかなり面白く、楽しめた。いわゆる能のわかりにく部分、例えば単調なリズム、変化の少ない動き、ストーリーのわかりにくさ、などが軽減されているので、まったくの初心者が見るならこちらの方がいいのではないかと思ったくらいだ。

バレエでは女王ミルタをはじめとするウィリー達の悲しくも華やかな群舞も一つの見所だけど、能ではそうそう登場人物を増やすわけにはいかない。ジゼルに代表される「純真な愛」の部分と、ミルタ&ウィリー達の受け持つ「恨みと悲しみ」の二つをどう表現するのかと思っていたら、ジゼルを黒と白の二つに分けるという新鮮な切り口。
アルブレヒトを恨む『黒のジゼル』が、彼と舞いながら過去の幸せだった日々を思い出し、愛にあふれた『白のジゼル』へと変化していく。舞台上で衣装まで変化してしまうのには正直驚いたが、それが無理なく演出にとけ込んでいたのには素直に感心した。
男と女の相舞というのもあまり覚えがないが、切なく美しく、物語にはぴったりだった。

衣装といえば、いわゆるロマンチックバレエ独特の軽やかな衣装を伝統的な重い能衣装でどう表現するのかというのもひとつの興味だったのだが、これも意外と着物姿でも違和感がない。
ただ、ジゼルにこだわって十字架などを無理矢理くっつけるよりも、こちらも斬新な解釈で他の小物に変更したようがよりしっくりきたのではないだろうか。


クラッシックバレエも久しぶりに見たが、日本のバレエも随分よくなったなあと思う。昔はテクニックは抜群でも、どこか堅苦しくてうまく踊ろう踊ろうという雰囲気がぷんぷんしていて見ていて苦しかったものだが、今の若手ダンサーはのびやかなものだ。
いい意味で垣根が減ってきたということなのだろう。

日本古来の伝統だけでなく、輸入ものの文化もこなれてきたというところに、これからの可能性も感じる。

お能とバレエ、日本の伝統と西洋の文化、意外といい組み合わせなのかもしれない。
古典が珍重されるのがこの手の伝統芸能の宿命だけれども、もっとこんな新作が出てくればまた違った世界が開けてくるのかもしれない。


とまあ、お堅い感想はこれくらいで。




「ジゼル」というバレエの古典を能でやったらどうなるか、それは確かに興味あったんだけど。
たまたま四階席とはいえ最前列の席がとれたというラッキーもあって、ふらふら気軽に見に行っただけだったんで、


まさか皇太子殿下が来るような舞台とは思いませんでしたよ。



その他にも文部副大臣とかそうそうたる方々による開催式まであっちゃったりして。
国家斉唱ですよ?起立!ですよ、奥さん!い、いや皆さん!!
・・・・びっくりするでしょ、そりゃ。ジーンズで行っちゃったよ。


まったくそんなんだったらイブニングドレスでも着ていったのにさあ。(そんなものどこにあるんじゃい)


昔、オランダでやっぱり普通にコンサートに行ったら女王様がいらしてて、全然知らない隣の席の兄ちゃんに「ほぉら、あれが俺らの女王様だよーん」とうれしそうに教えられた事がある。ろくにSPもついていない状態で観客達も別に特別に感じている様子もなくて、そんなお互いの信頼感に「日本とは違うなあ」と思ったのだけど、今回も同じように物々しい感じがなくてふとその出来事とオーバーラップした。
周りもそんなに緊張した感じも特別な感じもなくて。まあ、私たちのように普段着でへろへろ行ってた奴もいるくらいだったし。

同じ人間と言ったら特定の場所では問題になりそうだけど、こうやって一緒に同じものを見て楽しめるんだったら、日本もまだそう捨てたものじゃないのかもしれないな。



「新作能:ジゼル」 友枝昭世、梅若晋矢、山本東次郎

「バレエ:ジゼル」 西山祐子、山本隆之、厚木三杏、富皮祐樹




スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

hijiri

Author:hijiri
長年のITまみれな生活を経て、着物と煙管、和文化と美しいもの、酒と美食(B級)をこよなく愛する生活。
■日本の文化と”今”をつなぐ再実感マガジンJapaaanでライターやってます。
http://mag.japaaan.com/
■cafeglobe読者エディター、やらせて頂いてます。
http://www.cafeglobe.com/2013/06/030174cafeglobe_readers.html
■ミラーサイトはこちら http://ameblo.jp/hijiri-info

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。