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2006-03-26

狂言オペラ 「フィガロの結婚」

モーツァルト生誕250年記念ということで今年は色々なところでモーツァルト関連行事やコンサートをやっているが、その彼のオペラの中でも下品さは一二を争う(?)『フィガロの結婚』を日本の伝統芸能『狂言』風に演じたらどうなるかという、また斬新な試みである。


浮気で女たらしの伯爵に調子のいいフィガロ、そして頭が回ってしっかり者の女達。
なるほど、考えてみればキャラクターは狂言に酷似しているし、思うほど違和感はないかもしれない。

そのうえ、狂言を枠組みを越えてオペラの演出や現代劇に出演している茂山千之丞氏(多才さとクールさが素敵な、私の永遠の狂言アイドル!男は知性ですよ知性)が演出するとなれば、これはもう観るしかないでしょう。


2006-03-26-1


まずは管弦楽団が演奏しながら(!)入ってくる斬新な入場に度肝を抜かれる。おまけに重要な役である”奥方”は人形使いの操る等身大の人形というのがまだすごい。
そのくせ、見事に全てが狂言「風」になっているのは見事としか言いようがない。オペラの方であれば美しい衣装を付けた女性が華やかに演じる女性陣も美男葛をつけた男性が演じているし、道具も見立て。管弦楽にあわせて狂言の舞が舞われ、これがまたうまい具合にはまっていたのには恐れ入った。



いやー、笑わせていただきました。



ドイツ・カンマーフィルハーモニー・ブレーメン管楽ゾリステンが演奏しながら入場してくる導入にも度肝を抜かれたが、美しくクールな伯爵夫人が人形なのにもまたびっくり。
狂言回しでもある伯爵夫人に恋する小姓が天使のなれの果て(?)なのも斬新なら、セットがまったくないいわゆる狂言の「見立て」であれだけ華やかなオペラの舞台を演じてしまうのだから凄い。

演出的には受け狙いもあるのかかなりぎりぎりの線で(笑)、お子さま連れにはお勧めしかねる部分があるにせよ、見事に狂言”風”が馴染んでいたのはさすが千之丞さんと言うべきだろう。
正当ファンなら怒りまくることも必至だろうが(苦笑)、一日だけの上演なんてはっきりいってもったいないと思う。謡を知らなくても、見事にオペラの音とマッチした舞などは非常に興味を引くのではないだろうか。歌舞伎のように一ヶ月とはいわないが、一定期間の上演でもっとたくさんの人に見てもらえると、狂言、オペラ双方の普及にもなったのではないだろうか。


ただ、不満もいくつか。
まずコンサートホールでの上演は頂けない。私は席が一階席の丁度まん中辺りだったが、はっきりいって狂言のキモである足元が全然見えない。二階席なら全体は見渡せたろうが、その分今度は頭ばっかりになってしまうだろう。能舞台とは言わないが、やはり舞台は舞台、階段状の劇場形式でやってほしいものである。
また、基本的に謡とセリフは被るもので、普通の能舞台でさえセリフが聞こえない時は多々あるが、今回のバックはオーケストラである。まったくセリフが聞きとれない部分もかなりあった。この辺り演出も含めて再考の余地もありそうだ。


とはいえ、全体的には見事と言うほかない。
元々喜劇である狂言には悲劇が多いオペラの演目で馴染むものはそうないだろう。けれどもこれだけ完成度の高いなら、他の演目でも是非見てみたいものである。


私は若手では茂君贔屓だが、今回は童司君がえらくうまくなっていて(舞台映えするようになっていて)びっくりした。なんというか華が出てきたようで、これからますます楽しみですね。



いくつか気になる部分はあるにせよ、大いに笑いまくってやっぱり千之丞さんは天才だと認識を新たにする。
もう、声を大にして言っちゃうもんねーっ!



2006-03-26-2
いい舞台には高級なアルコール並みに人をよい気分にさせる。
気分がいいので幕間にシャンパンなんか飲んでみちゃったり


2006-03-26-3
ここのサンドイッチは、こういう劇場のにしては美味しいと思う。
具によってパンが違うのが、コンサートホールだけに(?)芸が細かい。




狂言オペラ「フィガロの結婚」 茂山千之丞 茂山あきら 茂山宗彦 茂山童司

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hijiri

Author:hijiri
長年のITまみれな生活を経て、着物と煙管、和文化と美しいもの、酒と美食(B級)をこよなく愛する生活。
■日本の文化と”今”をつなぐ再実感マガジンJapaaanでライターやってます。
http://mag.japaaan.com/
■cafeglobe読者エディター、やらせて頂いてます。
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■ミラーサイトはこちら http://ameblo.jp/hijiri-info

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